コミュニケーションスキル

[:ja]厚生労働省の調査によると、職場のストレスで男女とも一番高いものに、「人間関係」が挙がっています。社会生活を営む上で人間関係は切り離せないものですが、周囲の人たちと良い人間関係を築くためには、コミュニケーションが非常に大切なツールとなります。私たちはコミュニケーションを使って、情報や意思、感情、知識などを互いに伝達し合っているわけですが、伝えるだけではなく深く理解し共感することができると、相手と良い信頼関係が築けるようです。

ここ最近はインターネットやゲームの普及から、コミュニケーションをとることが苦手な人も増えているようです。コミュニケーションに祖語がおきれば、職場では、業務に支障が生じたり、ストレスを抱えることにもなりかねません。ここでは、豊かな人間関係を築くために、コミュニケーションをとる際にどのような点に気を付ければよいのかを考えてみることにしましょう。

返報性の法則

心理学には返報性の法則というものがあります。自分が受け取ったものは、同じように相手に返したいという人間の自然な心の働きです。これを相互コミュニケーションに当てはめると、自分に投げかけられた応答と同様のものを相手に返したいということに置き換えられるでしょう。良い言葉をかければ、良い言葉が返ってくるというというシンプルな法則になります。

もし特定の人との人間関係が上手くいかないと悩んでいる時には、この心理の法則を活用してみるとよいかもしれません。自分から相手に話しかける時には、相手が気持ち良くなるような良い言葉を選んで使ってみるということです。

ポジティブストローク

ではどのような言葉が良い言葉になるのでしょうか。

心理療法の交流分析の中に、ポジティブストーク、ネガティブストロークという概念があります。ポジティブストロークとは相手を肯定的に認める働きかけで、ネガティブストロークとは相手を否定的に認める働きかけのことです。人は誰しも、自分のことを肯定的に認めてもらいたいという願望がありますので、当然ポジティブストロークを受け取れば気分が良くなるわけです。ポジティブストロークとは、元気に挨拶をすること、感謝すること、褒めること、励ますことなどの言葉になります。またストロークは投げかければ投げかけられるほど、返ってくることになります。いかがでしょうか。皆さんは多くのポジティブストロークを相手に投げかけることができているでしょうか。

感情への訴求

私たちはコミュニケーションの中で、多くの情報や事柄を共有し合っているのですが、中でも大切なことは感情を交換し合っているということです。男性は女性と比べてロジックや、理性が強く働く傾向があるため、コミュニケーションにおいて感情の部分を軽視しがちかもしれません。しかしながら、人の心が動かされるのは言葉ではなく、その奥にある感情の部分が共鳴する時です。

たとえばあなたの部長が「A君、これから業務の繁忙期になるから、よろしく頼むね」と言った時と、「A君、これから多忙になるけれど、君がいるから力強いよ」と言われた場合、あなただったらどう感じるでしょう。部長が感情を開示している後者のほうが、気持ち良く感じないでしょうか。

自分の感情を開示すること、また相手の感情の部分に訴えコミュニケーションをすることは、信頼関係を構築するうえで非常に大切なスキルになります。[:]