自発的な行動

何かを始める際に自分からやりたいと思って始めることと、誰かに言われて始めることには違いがあります。皆さんが学童期であった頃の、夏休みの宿題を思い出していただくとよいかもしれません。自分で率先してやりたいと思う自由研究はサクサクと進むのに対し、いつまでたっても終わらない漢字や計算のドリルは、夏休みが終わる間際に泣く泣くやっていたということはないでしょうか。

人間の行動を観察する時、自発的に行動をスタートできる人は積極的に問題に取り組み、物事を完遂するための動機づけも自ら高く掲げる傾向があるようです。よって職場、プライベートの生活において、達成感を得る可能性が高くなります。しかしながら、受動的にしか行動できない人は、何かを始める際に抵抗感を感じたり、迷ってしまうことが多いため、物事に着手するのに時間がかかります。意欲も万全ではないため、自分の行っていることに満足をする結果が得られないようです。

ここでは自発的な行動を増やしていくために、どのようなことを意識していけばよいのかを考えてみましょう。

 

業務プラスαの目標

自分のやらなければならない業務は職場の中ですでに決められているわけですが、個人的な達成感を感じるためにも、目標を決めて好きなことを何かプラスすることを考えてみましょう。この目標は例えば1か月に1つ、これを継続して行うというようなことです。目標を設定する際のポイントは、自分が気持ち良く取り組めることを設定することです。朝起きることが苦にならない人は、いつもより15分出社するということだったり、整理整頓が好きな人は、共用の書庫を整理するといったものです。自分の業務ではないので、評価につながるわけではないのですが、自分から能動的に行うことにより、完遂した時に気持ち良い達成感を味わうことができます。小さなことであっても、毎月何らかの達成感を感じることが可能になれば、どんなことにもモチベーションを高く維持していくことが可能になるでしょう。

 自発的な行動が少ない部下には

会社には様々な社員が存在しますが、上司泣かせの社員は言われたことしかやらないというタイプでしょう。そもそも自発的に行動ができない人は、不安が高かったり、自分で考えて自分で行動するという能力の低下している人です。こういうタイプの方と仕事をする場合には、失敗をしても咎めない、という姿勢や、指示を出さないという姿勢が大切です。

このような人は多くの場合、育ってきた環境の中で、両親から多くの指示を出された上に従わないと罰せられるというような経験をしていることが多いようです。個人の性格や行動パターンは、すぐに変化させることは困難ですが、時間をかけて環境を変化させることにより、少しずつ修正していくことは可能です。もし自発的に行動することができない社員を配下に持っているならば、このような背景を理解し、接し方に工夫をしていくことで、本人の自発的な行動を増加させることが可能になります。[:]